検索
記事ランキング
カテゴリ
ブログパーツ
以前の記事
その他のジャンル
|
「ぎんげる・・・ってなにかな。 あ、ジンジャーか」 子供に英語の早期教育を施さないと このような面白い発言を聞くことができます。 さてDARADARA書きます。 水曜日。 そろそろ店じまいしようかな、と思っていた頃。 小学生の女の子が2人こちらをめざして駆け寄って来ました。 片方の女の子が言いました。 「知ってるよ! あたし知ってる。三輪車のプリン屋さんだよ!」 うんうんとうなずく私。 「お母さんがこの前見つけてね、 買いたかったんだけど、 お財布持ってなくて買えなかったって言ってた。 食べてみたいな〜」 「2人は何年生なの」 「4年生です」「4年生です」 2人はマユちゃんとミイちゃん。 この日は学校が早く終わる日で お友達のおうちに遊びに行くところだったそう。 2人ともスカートをはいてハイソックス。 お母さん手作りと思われるキルティングの四角いバッグを提げている。 「あのね、ともだちが新しいうちに引っ越したから よんでもらったの」 「お引越祝いのパーティーみたいな…」 「おうち、そこ」 彼女たちが指差した先を見て私は言いました。 「あ、もしかして◯◯ちゃんち?」 「そう!」「そう!」 2人は私の知人でもある最近引っ越した◯◯さんのお宅に 遊びに行くところでした。 しげしげとプリン号を見つめているので 保冷箱を開けて「こんなんだよ」と、びん入りプリンを見せました。 「わあ〜」「わあ〜」 「食べたいけど、250円か」 「ねえ、いくら持ってる」 「うーん(バッグをがさがさ)そんなにないなあ」 「いつもここにいるんですか」 「うん、水曜日のこの時間はいるよ。 雨が降ったらお休み」 2人はしばしメニューを見たり 三輪車を見たり 看板やパラソルを見たりしていました。 そのうちマユちゃんが 少しうっとりしたような照れたような表情で 三輪車に触れながら 「あーあ、あたし。なんか。 三輪車のプリン屋さんになりたくなってきちゃった」 そ、そうですか。 なりたくなって来ちゃったのね。 「なりたくなってきちゃった・・・」 今日プリン売れ残ってるし 明日売れるけど 少し火が強くてすが立ってしまったプリンがあるし ◯◯さんにはいつもお世話になっているから・・・ なんだかんだ口実を考えてから言いました。 「これ。◯◯さんちに持って行ってくれる?」 子供の数だけプリンを袋に入れて ◯◯さんへの一筆書いて(その人は私がこんなことをしていると知らないので) 彼女達に持たせることにしました。 2人は目を見合わせて顔を輝かせました。 「でもぉ、悪いなあ」 再びお財布をのぞきこんでマユちゃんは 「4円しかなかった」 「プリンを届けてもらうってことだからいいんだよ。 また今度お母さんと来てね〜」と言って笑って4円は辞退したけど もらっておけばよかったな、4円。 ゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+ おいしかったです。 その後もうすぐ5歳のともえちゃんが来た。 ともえちゃんの好きなのは 長らくプレーンだったけど 最近は生クリームがトッピングされたのがお気に入りだ。 ひとしきり歌い終わった彼女に 大きくなったら何になりたいのかという ありがちな質問をしてみる。 「アイドルと〜、パティシエ!」 これもありがちな答えだが、複数なところがミソ。 「アイドルとパティシエか。先にどっちになるの?」 「うーん、パティシエ、になってから、アイドル」 「ああ、手に職があるアイドルってのはいいかもね。 パティドルとか言われたりしてね」 そして帰宅して、今日こんなこと言われたよと 『あたし、プリン屋さんになりたくなっちゃった』のことを 末娘に話したりする。 すると意外な反応が跳ね返って来た。 「そんなの当たり前じゃない? なりたくなっちゃうに決まってるでしょ。 だってさあんな風に可愛くした自転車でさ、 おいしいプリンでさ。なりたくなるに決まってるじゃん」 半ギレです。半分キレています。 うちの子供たちはプリン屋さんになりたいなんて言うことはないし 大変そうなの間近で見てるからお菓子作って売る仕事に ふわふわした夢のイメージを重ねたりしない。 しかしこの反応はつまりYAKIMOCHI? どこに対する、何に対するYAKIMOCHIかは定かではありませんが なんとなくわかる。 この日女の子たちとふれあって思ったのは 自分が乗りかかった船はどこかにたどり着かせないといけないな、ってこと。 作家になりたくてプリン屋も始めたけど なかなか難しくてどっちもやっぱりやめました。 ということでは 同じようなことにチャレンジしようとした女の子が 「あ、こういうことしてもうまくいかないんだな」 と思ってしまいがちでしょ。 (私ならもっとうまくできる!と思う場合もあるでしょうが) 利ざやを稼ぐような仕事も 人の夢や弱みにつけ込むような仕事も プリンを作って売る仕事も 同じお金もうけ。 でもちょっと違うよね。 原始的で馬鹿正直なお金もうけの仕方で 楽じゃないけど どんどんまねっこしてくれる人が現れるように 馬鹿正直さは残しつつももっと工夫のある 楽しげなビジネスモデルを考えないと。 「プリン屋さんになりたくなっちゃった」 この一言、彼女は何の気なしに言ったものだろうけど 私にとってけっこうなメッセージになりました。 日々生きていると気づかぬうちに 互いに影響を受けたり与えたりするものですね。 小4の女の子、ありがとう。 原始的な客商売と作家業をどっちも手に入れようと 欲張りな計画を立ててから約3年。 パティシエでもなんでもない 素人の私の我流のやり方でも 2年で約1万本のプリンを作って行くうちに 少しはおいしく作れるようになって お客様も足を運んでくれるようになった。 ブログを書き続けているうちに (それでも記事数はまだまだ719件) 地域の雑誌にライターとして参加させてもらえるようになった。 (4月1日発売の「たまら・び 立川特集号」で書かせてもらいました。告知はまたのちほど。。。) 始めたときにいた場所から船は少しは進んでいる。 なにかに挑戦している毎日は ほとんどが大変なこと疲れること嫌なこと泣きたくなることで ほんとにときどき、いいことが訪れる。 ほんとにときどき訪れるいいことは ビビッドでブリリアントでマーベラス。 きらきらと激しく輝いて しばらくそれを思い出すだけで生きていけるくらいおいしい。 でも何にも挑戦していないと 大変なこと疲れること嫌なことは少ないけど、退屈。 退屈はあんまりおいしくない。 食べるんならおいしいほうがいいよね。 Girls be ambitious。 いくつになってもね。
by mitakapurin
| 2015-03-06 19:34
|
ファン申請 |
||