|
前回の記事に続きまして学校のPTA役員のことを書きます。 毎年4〜5月のクラス役員選び、たいてい難航しますよね。 どんな風に難航するかと言うとですね、 「難航」という2文字がぴったりな感じの空気になるんですよ。 羅針盤はなく、先の見えない目的地を目指して船はあてどもなく揺られる… あの雰囲気。 「一言でも口をきいたら選ばれてしまう。 一瞬でも選考係のお母さんと目が合ったら選ばれてしまう。」 たいてい選考係は前役員さんか、ベテランの役員さんが登場します。 どういうお達しが出ているのかわかりませんが、 初めからジャンケンやあみだくじなど運を天に任す方式にはなりません。 まずは立候補者を募ります。延々と募ります。 後ろに貼り出された子どもが書いた書道作品(「希望」「協力」)やクラスのスローガン「助け合って輝けるクラスにしよう」などという文字がプレッシャーをかけてくる教室で、保護者たちは手に汗まみれのタオルハンカチを握りながら小さ過ぎる椅子にお尻をむりやり乗せて歯をくいしばりうつむいてただ沈黙のときが過ぎ去るのを待つのです。とても子どもにこの姿は見せられません。 あたかも日照り続きの村で雨乞いの儀式をするときに生け贄を選ぶ寄り合いででもあるかのようにだれもが口をつぐみ、悲痛な表情を浮かべます。 「それでは、どうして引き受けられないのか一人一人言っていきましょうか」 という恐ろしい大人の山の手線ゲームが展開されてしまう場合もあります。 中には聞いてしまったこちらが引くようなスリリングな家庭内事情を告白してくれる人もいますがたいていは「仕事が忙しくて…」「下の子がまだ小さくて…」「上の子の学校で役員引き受けてしまっているので・・・」 そんなとき私は言ってみたい、自分の本音を、みんなの本音を。 すっくと立ち上がってやや顎をあげ坂上忍のような表情を浮かべて 「めんどうくさいから、やりたくありません。ヒマだけど」 しかし、もし自分が選考側だったら私はその保護者の胸ぐらをつかんで体育館まで引きずって行きどうにかして天井のバドミントンの羽根がはさまっちゃってるあたりにその保護者をロープでくくりつけて誰かが見つけてくれるまで放置することでしょう。 沈黙に耐えかねてちょっと若くて優しそうなキレイ目な奥さんが 「・・・あの、この文化委員というのはどのような仕事をするのでしょうか・・・?」 と、うっかり声を上げてしまったが最後、選考係のお母さんはその保護者ののど笛にくらいついて決して放しません。 鷲に狙われたひな鳥。 アリゲーターに狙われたメダカ。 「簡単ですよ〜 やってみれば楽しいですよ〜 色々学校のことがわかってためになりますよ〜 お子さんが喜びますよ〜 はい決定!! ◯◯さん引き受けて下さってどうもありがとうございます」 他の保護者たちはここぞとばかりに盛大に拍手をします。もうその決定を撤回できないように… こわい! ああきょわぁい! そこで私は考えました。 こんな風に役員決めがこわくならないような方法を。
by mitakapurin
| 2016-06-23 17:23
|
ファン申請 |
||