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ある土曜日のことでした。 とくに用事もなかったので、録画してあった 「私、結婚できないんじゃなくてしないんです」 の中谷美紀の名演技を娘とともに見ていました。 「ん〜 やっぱりいくら男前って言ってもお笑いの人はお笑いやっている時がいちばんすてきだよね」 ↑チュートリアル徳井さんのこと。 そんなたわごとを交わしつつ平和な時間を過ごしていました。 ターララ ラララララー ラーラーラー 名も知らぬクラシック音楽が我が家の固定電話の着信音です。 ビデオを一時停止して、楽しいドラマ視聴のテンションで私は電話に出ました。 私「はいもしもし♪」 「あの…プリンさんのお宅でしょうか」 「ええ。プリンですけれども?」 「…わたくし◯◯高校2年E組の伊集院(仮名)と申します」 「あ、お世話になっております〜♪」 「あ、ええ・・・あのそれで、じつは今日保護者会でいまクラスの役員決めをしているところなんです」 「?!◯▲□!?」 そう言えばそうだった。今日は子どもの学校の年度初めの保護者会の日でした。 年度初めの保護者会で行われることと言えば ずばり〈PTAの役員決め〉。 その重要な保護者会を私はさぼっていたのです。 うっかり忘れていたのではなく きっちりと出欠票に「欠席」と書いて提出もしました。 確信的なさぼりです。 言い訳はやめます。 自白します。 私は保護者会をふぁぼったのではなく、 さぼっていたのです! さぼって何をしていたかと言うと 「私、結婚できないんじゃなくてしないんです」を楽しく視聴していたのです! 話を戻します。 電話口の伊集院さん(仮名)の背後からはただ事でないムードが漂っています。 私「あ、あー、えーと、すみません、今日、保護者会でしたよね…うっかり…そのー」 伊集院「役員が決まらなくて、くじ引きをした結果、プリンさんに決まりましたので」 私「へ?!」 伊集院「学年委員さんを引き受けて下さる方がいなくて、くじ引きで決めようということになりましてプリンさんが」 こういう場合も、「くじ運がよい」と表現するのでしょうか。 引きの強い私は、出席していないにも関わらず当選くじを引いてしまいました。 さぼっていたのがバレた上に当選くじを引いてしまいました。 私の脳裏に選挙速報の絵が浮かびました。 目を描き込まれているだるま。 ふたをかち割られて液体が溢れ出ている酒樽。 大書された名前に貼り付いたお花紙。 ハチマキをしている自分。 マイクを片手に涙ながらに枯れた声で感謝を叫ぶ自分。 バンザイを叫ぶみんな。 感謝を叫ぶ自分。 基本的には役員というものはなんだかんだ立候補で決まります。 「やってもいいですよ」という神のような方がなんだかんだいらっしゃるのです。 それがどーーーしても決まらない時に限り、ジャンケンやくじ引きという手法をとります。 ということは、電話口の伊集院さんの向こう側では役員が決まらず数時間に及んでしまった保護者の皆様が 固唾をのんで見守っているという状況です。 私には2つの方法がありました。 一つは、 「固辞する、なにがなんでも固辞する」 どうして固辞するかというとこれは 言い訳はやめます。 自白します。 面倒くさいからです。 ひたすら面倒くさいからです。 報酬は出ません。 時間と手間をとられます。 「お友達ができますよ〜」「やってみればけっこう楽しいですよ〜」 ということは私も何度も役員やったので知っています。 (複数の子どもがいると、たいてい毎年どこかの学年でなにかやることになる) が、引き受けるときはどうしても面倒くさい気持ちが先に立ちます。 (どうやって固辞しよう、どういう理由をつけよう。ベストセラー小説を書く予定がありますので、というちょっと頭のおかしな感じの理由をつけてこの人には頼めない、と思わせるか。いや、それでは子どもに迷惑がかかる・・・) などと考えているうちに引き受けた後の「面倒」よりも、いま目の前にある「面倒」を片付けるほうを優先してしまいました。 そう、私はもう一つの方法、 「引き受ける」を選んでしまったのです・・・ 大げさに書きましたが、 いまはけっこう楽しく役員活動やってまーす。 お友達もできましたー。 ご清聴どうもありがとうございます。
by mitakapurin
| 2016-06-19 17:33
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