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絵本市に、自分が書いた絵本も出してみようかと思い 文章を書きましたが、 結局ふざけた感じになっちゃった。 ○ ☆゜+.*.+゜☆゜+.*.+゜☆゜+.*.+゜☆ ○゜+.*.+゜☆ ○ ☆゜+.*.+゜☆゜+.*.+゜☆゜+.*.+゜☆ ○゜+.*.+゜☆ ○ 『世界でいちばんおいしいプリン』 ある国の王様が言った。
「余は世界でいちばんおいしいプリンが食べたい」 国じゅうにおふれが出された。 『世界一おいしいプリンを王様に献上できる者は名乗り出よ。 これこそ世界一のプリンだと王様が認めたプリンを持って来た者は お姫様と結婚してよいこととする』 お姫様のおむこさんということは 将来の王様になれるということだ。 国の男たちは競ってプリンを持って城を訪れた。 ある男は10年に一度しか卵を生まない鶏の 貴重な卵を使ったプリンを持って行った。 またある男は国一番の濃厚なミルクを出す 牛の乳を使ったプリンを持って行った。 王様は次から次へと目の前に差し出される ぜいたくなプリンを一口食べては首を横にふった。 「余が食べたいのはこのようなプリンではない」 あらかたのプリンが出尽くした頃に ある男があらわれた。 男は一風変わった提案をした。 「王様。世界一おいしいプリンを召し上がっていただくために 王様にご協力いただきたいのですが、よろしいでしょうか?」 興味を引かれた王様は「うむ」とうなずくと 男の言う通りお城の厨房へと進んで行った。 男は1枚の羊皮紙をうやうやしく王様の目の前に置くと言った。 「王様、ここには最近世間をにぎわす“みたかプリン”なるプリンの マル秘の作り方がこまかく書かれております」 「マル秘だというのにどのように手に入れたのじゃ」 「調理場の家賃1年分を払ってやると言ったら みたかプリンの女主人はぺらぺらとレシピを暴露しました」 「なんとありがたみのない・・・」 「とにかく王様、恐れながら、このレシピを見ながらプリンを作ってみてほしいのです」 「余が? 自分でか?」「はい」 男の提案に興味をひかれた王様は 羊皮紙を見ながら慣れない手つきでプリンを作り始めた。 卵を割るにも一苦労。殻が入って大騒ぎ。 牛乳あっため吹きこぼし、砂糖の重さを間違える。 近頃だいぶ広くなったおでこに汗して王様が完成させたプリンは お鍋の火が強すぎたため、ぶっくぶくのぽっこぽこであった。 試食をさせられた召し使い達はもちろん 「たいへん・・・おいしゅう・・・ございます」 と言った。 男は言った。 「いかがです、王様。ご自分で作ったプリンは世界一でしょう」 「そうそう、なんといっても初めて自分が作ったプリンは すが入りまくって最高においしい・・・ わけあるか〜い! 」 王様はノリツッコミをした。 「・・・しかし、アイデア自体はなかなかよい。 プリンを作る作業はなかなかにおもしろかった。 今回のプリンコンテスト、参加者はもういないようであるし そちを優勝者といたそう」 次の王様が決まったかに思えた瞬間。 「お待ち下さい、王様」 お城の扉が開かれ、ある人物が入って来た。 それは意外にも女性。 なんとお姫様であった。 「姫ではないか」 姫はドーム状のフタをかぶせてある皿を手にしていた。 中にはいったい何が入っているのか。 「お父様。わたくし、自分の結婚相手は自分で決めとうございます。 もしわたくしが世界一おいしいプリンを持ってくることができたなら 文句はありませんでしょう?」 「うむ」 姫は手にしていた皿のふたをそっと開いた。 見るからに普通のカスタードプリンが プリン型から抜かれた状態で皿にのっていた。 てっぺん部分にはカラメルの色がくっきりと残り、 皿にはカラメルソースの浅い池ができている。 「お召し上がり下さい」 王様は言われるままに一口食べた。 「これは」 王様は目を見開いた。 姫は黙って王様の言葉を待った。 王様は次の言葉を発する前にプリンを見る見る平らげた。 「いかがでしたか、お父様」 「うーむ。このプリンはお前が作ったのか」 「ええ、ある人から作り方を教わって」 姫はペラリとレシピが書き込まれた紙を見せて 王様に渡した。 「なるほど。 幼い頃、自分の母親が作ってくれたおやつの味を 自分の娘がそっくり再現してくれたなら、 当然世界で一番おいしいおやつになる…かもしれんな」 姫は王様のお母さん、つまり姫のおばあちゃんにレシピを教えてもらい とっても普通な、でも余計なものがいっさい入っていないプリンを作ったのだった。 王様はこれは1本とられた、という表情で言った。 「よし、姫は自分で結婚相手を決めるがよい」 「やった!」 姫はガッツポーズを決めると 次期王様は自分だと有頂天になっていた男に向かって 「ごめんあそばせ」 と声をかけ、るんるんと王様の間を出て行った。 がっくりうなだれた男に王様は言った。 「おい、今度はこのレシピでプリンを作るから そちも手伝え」 おしまい。 ○ ☆゜+.*.+゜☆゜+.*.+゜☆゜+.*.+゜☆ ○゜+.*.+゜☆ ○○ ☆゜+.*.+゜☆゜+.*.+゜☆゜+.*.+゜☆ ○゜+.*.+゜☆ いかがでしたか?
by mitakapurin
| 2014-08-23 22:18
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